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口腔外バキューム

今回のコロナウィルス感染拡大で歯科治療中に発生する飛沫感染の危険性がマスコミに取り上げられました。

感染経路別予防策は「接触感染」「飛沫感染」「空気感染」に分類されます。飛沫感染は、感染患者さんのくしゃみ、咳、会話などで放出されたウィルスを含む飛沫が口腔粘膜や鼻粘膜に付着することにより感染します。空気感染はウィルスを含んだ飛沫が乾燥して微小な飛沫となり空気中に浮遊し、それを吸入することにより感染します。

コロナウィルスの感染経路は接触感染と飛沫感染が基本とされていますが、密閉された空間で長時間高濃度の汚染されたエアゾルに曝露した場合は感染リスクが高くなると考えられます。

当院ではこの度、感染予防対策のひとつとして「口腔外バキューム」という器械を導入しました。口腔内バキュームは従来の口の中に挿入して使用する口腔内バキュームに加えて口の外側に設置して飛沫を吸い取る装置です。

実験データによると口腔内バキューム単独に比べて口腔外バキュームを併用した方が40〜60%飛沫粒子の捕集率が高いということです。

実際に使用してみると思いのほか音が大きいのが気になりますが、患者の皆様にとっても我々クリニックスタッフにとってもウィルス感染から身を守るという点で大変有効な装置ですので今後は積極的に使用していく方針です。

訪問診療における食支援

当院は平成11年に下鶴間に開業し、20年に大和駅前に移転して、20年以上にわたり日々歯科医療に取り組んでまいりました。

そんな中、平成26年より訪問診療を始めました。今は多くの歯科医院が訪問診療を行っていますが、当時はまだ珍しかったと思います。

それから5年経過した現在、歯科医、衛生士、歯科助手3名の訪問診療チームが毎日個人宅や介護施設を巡回しています。

訪問診療を継続する中で、自分にとって一つの大きな診療テーマに出会いました。それは摂食嚥下機能療法という治療です。摂食嚥下機能は食べ物を食べて飲み込む機能のことです。

人は誰でも加齢とともに食べる機能が徐々に低下します。さらに高齢者が多く罹患する脳血管障害やパーキンソン病や認知症などは合併症として食べる機能を障害することが多いです。つまり、多くの高齢者が食べることに何らかの問題を抱えているのが現状です。

摂食嚥下機能が低下すると口からの栄養摂取が難しくなり低栄養による衰弱の原因になります。また、食べ物や唾液を誤嚥してしまうと誤嚥性肺炎や窒息の危険性が高くなります。

摂食嚥下機能障害に対する治療は

・問診、機能検査、評価を行う

・安全に食事が出来るように食べ物の形態や 方法のアドバイスを行う

・機能改善、維持のためにリハビリを行う

などを行います。言うまでもなく、人にとって食べ物を口から食べて味わうことは単に栄養を摂取するだけでなく、生活を豊かにする楽しみでもあります。

今後も特にご自宅で療養されている方たちが安全にお口から食事が出来るよう通常の訪問歯科治療にとどまらず、言わば「食の支援」である摂食嚥下機能療法を積極的に取り組んでいきたいと考えています。