歯ぎしりについて

こんにちは、歯科衛生士の城倉です。

最近は涼しくなり、秋らしくなってきましたね。

秋といえば、食欲の秋、読書の秋…皆さまはどんな秋を過ごそうと思いますか?

私は食欲の秋!さっそく旬のさんまを食べ、秋を感じています😋

さて、今回は「歯ぎしりについて」お話したいと思います。

日本人の70%の人が歯ぎしりを経験していて、多くの人が自覚していない事が分かってきました。

歯ぎしりによって詰め物が欠けたり、すり減ったり、さらに強い力が加わると歯が割れたりする事もあります。

また、健康な歯であっても、歯ぎしりによって歯が揺れ始め、歯を失う原因になる事もあります。

歯ぎしりというと、寝ている時にギリギリ、ガリガリと音がするものをイメージされる方が多いと思いますが、歯ぎしりには大きく分けて3つの種類があります。

[歯ぎしりの種類]

グライディング(歯ぎしり)

歯ぎしりの中でも最も多くみられるのが「グライディング」と呼ばれるものです。

これはギリギリと歯を擦り合わせる最も一般的で頻度の多い歯ぎしりで、周りの人にも気づいてもらえる事が多いものです。

上下の歯を強く噛んだ状態で横に滑らせこすり合せる動きをいい、最も歯にダメージを与える歯ぎしりで、歯の削れが大きく、歯がすり減って平らになるという特徴があります。

寝ている時に起こる事が多いですが、起きている時にもしている人も少ながらずいるようです。

ただ、実際には音のしない歯ぎしりをする人もいるので、気づかない場合もあります。

クレンチング(食いしばり)

クレンチングは、食いしばり、噛みしめとも言われます。

上下の歯をぐっと強い力で噛み込むことで、グライディングとは違い横にこすり合せる事はしません。

日中、力仕事の時に食いしばるように、夜寝てる時にも同じように力が入ってしまう(クレンチング)行為で、音が出ない為に自分で自覚している方はほとんどいません。

よく見ると、クレンチングをしてる人は頬の筋肉に力が入る為、かたく膨らんでるように見える事があります。

人は、1日の中で食事や会話する事で上下の歯を噛み合わせるという行為は必然的に行っていますが、実際のところ上下の歯が噛み合っている時間は実質わずか5分から長くても20分程度といわれています。

普段、無意識の時などは上下の歯はくっついているわけではなく、少し隙間があると思います。

これを安静位空隙といいます。

クレンチングがある人は、この20分の時間が大幅に増え、さらに強い力が加えられていることになります。

タッピング

タッピングは、上下の歯をカチカチと嚙みあわせるもので、比較的頻度の少ないタイプの歯ぎしりです。

寒くて震えている時のような状態で、歯を小刻みにぶつけ(タッピング)小さな音を出します。

歯ぎしりのタイプは以上の3つの種類に分けられますが、いつ歯ぎしりするのかによって、「睡眠時ブラキシズム」と「覚醒時ブラキシズム」にも分けられます。

睡眠時ブラキシズムは言葉の通り寝ている時に起こる歯ぎしりの事で、寝ている時なので、無意識のうちに起こっていると考えられます。

一方、覚醒時ブラキシズムは起きている時に起こる歯ぎしりと言う事で、いわゆる癖という事になります。

いずれにしてもあまり自覚がないのご歯ぎしりで、なかなかしないようにするのは厄介です。

[自分で出来る歯ぎしりチェック]

1. 日中、集中している時に上下の歯を当てたり、歯を食いしばっている時がある。

2. 朝起きた時に顎や頬の筋肉が張っている(こっている)事がある。

3. 頬や舌に歯を押し付けた跡がある。

4. 歯ぎしりしていると人に言われた事がある。

5. 歯がすり減って短くなってきている。

6. 歯の根元が削れている。

7. 下の歯の内側や上の歯の頬側、上顎の真ん中に骨のコブがある。

8. 詰め物がよく取れたり、割れたりする。

9. 知覚過敏の歯が多い。

10. 歯に亀裂が多く見える。

[歯ぎしりの原因]

歯ぎしりの原因は解明されていないのが、実状ですが、ストレスなど色々な要素が原因となる事が分かってきています。

原因1. ストレス

歯ぎしりの原因で最も有力なのがストレスです。

肩こりなどと同じようにストレスによる筋肉の緊張によって口の周りの噛む筋肉が張ってコリを生じ、歯ぎしりが起こる事が原因の1つです。

原因2.歯並び

歯並びが悪くても年齢が若いうちは骨や筋肉が柔らかい為に大きな影響はありませんが、年齢とともに筋肉や関節の柔らかさが失われてくると、歯並びの悪さを補う事が出来ず、歯ぎしりが起こる事があります。

原因3.噛み合わせ

顎の成長や詰め物などの歯科治療、歯周病による歯の動揺、老化、歯のすり減りなどによって微妙に変化する噛み合わせに対応する為に歯ぎしりをするという説もあります。

原因4.日中の噛みしめ癖など

日中の噛みしめなど無意識に行なっている癖が夜寝ている時に出てしまう事があります。

日中、食いしばりや上下の歯を当てる癖がある人は筋肉が記憶していて、寝ている間も行なってしまう事が原因です。

原因5.顎関節の形態変化

年齢とともに顎の関節はすり減り、関節が平らになってきます。

その形に合わせて歯の形も変化させる為に歯ぎしりしている可能性が指摘されています。

歯ぎしりの症状

歯に現れる症状

1.歯が削れて短くなってきた

歯ぎしりによって自分の歯の噛む面が削れ、歯が短くなって、場合によってはしみる事もあります。

歯ぎしりしている人は強い力で歯を擦り合わせるので歯が削れてしまい、歯の長さが短くなり、場合によっては虫歯でもないのに神経に近づいて痛みを生じたりします。

2.噛むと痛い、違和感がある

歯ぎしりによって歯が揺さぶられると噛んだ時に痛みや違和感を感じるようになります。

歯には歯根膜という噛んだ時に硬いもの、柔らかいものなど感じる膜があります。

歯ぎしりによりこの膜に強い力がかかり、損傷すると噛んだ時に痛みとして感じます。

3.詰め物が取れたり、割れたりする

入れたばかりの詰め物でも歯ぎしりの強い力で取れたり、割れたりします。

そのような場合には、詰め物の種類を変えたり、歯ぎしり自体の治療が必要になります。

4.歯が割れる

歯ぎしりによって歯の表面が欠けたり、歯自体が根元まで割れることもあります。

虫歯などで神経をとっている歯や、年齢が経っている歯は徐々に水分が失われ、枯れ木のように割れやすくなっています。歯ぎしりの強い力が加わることで、歯の根元まで割れると、噛むたびに亀裂が広がり痛む事になります。

5.歯の根元が削れる

歯ぎしりにより強い力が歯の根元に加わると、歯の表面を覆っているエナメル質とその下にある柔らかい象牙質の間に応力が集中し、歯が砕けるように削れていきます。

歯の根元の象牙質には神経と繋がっている管(象牙細管)があり、歯ぎしりで削れることで神経とより近くなり知覚過敏を起こし、しみるようになったり、最悪の場合には歯の神経が死んでしまう事もあります。

骨の変化

1.骨がコブのように盛り上がってくる

歯ぎしりや食いしばりが多い人は骨隆起(こつりゅうき)といって骨がコブのように盛り上がる事があります。

下の歯の裏側や、上顎の真ん中にコブのように盛り上がる事があります。

基本的には骨が盛り上がってきているだけなので、そのままにする事が多いですが、入れ歯などがそのコブのせいで入れられない場合は削り取る事もあります。

2.歯周病がより悪化し、歯を支えている骨が痩せていく

歯ぎしりによって歯が揺さぶられ、歯を支えている骨が溶けて歯周病が進行します。

その他の症状

1.顎の関節や筋肉が痛くなる

歯ぎしりによって顎の周りの噛むための筋肉が過敏に緊張、疲労して痛くなる事があります。また、関節のクッションの役目をする関節円盤という軟骨が強く圧迫されて痛くなる事もあります。

この関節円盤は顎をスムーズに動かす機能がありますが、歯ぎしりにより関節円盤が圧縮され、ずれて音が鳴るようになったり、穴があいたりして、顎をスムーズに動かす事が出来なくなります。そのため、口が開きにくくなったりします。

2.肩が凝る

歯ぎしりによって噛むための筋肉(咀嚼筋)が緊張し、その事が首や肩の筋肉のハリやコリにつながり肩凝りが出現する事があります。

歯ぎしりの間は無意識のうちに強い力で噛み締めます。その時、噛む力を出す筋肉は肩や首、頭の方まで繋がっており、その筋肉が緊張する事によって肩や首が凝ったりします。

3.頭痛

歯ぎしりによって頭痛などを起こす事があります。歯ぎしりの時動く筋肉の中に顎から頭の横まで繋がっている筋肉(側頭筋)がある事や、顎や首周りの筋肉のコリが頭痛の原因になる事があります。

4.顔(えら)が大きくなる

歯ぎしりの時に使う筋肉は顔の周り、とくに顎のえらの部分に付いている筋肉(咬筋)です。

歯ぎしりがある人はこの筋肉が発達し、えらの部分が張り出して顔が大きく見えてしまう事があります。

歯ぎしりの治療方法

歯ぎしりは原因が不明な為、完全に治す事は難しいのが現状です。しかし、症状の軽減や歯を守る、顎を守る為に治療が行われます。

1.ボトックスによる治療

無毒化したボツリヌス菌を過度に緊張した筋肉に入れ、筋肉の動きを弱めて過緊張を取ります。

これは眉間や頬のしわを取る為に美容外科などで使われている物を歯ぎしりの筋肉に応用したもので、注射で6〜10ヶ月くらいもつと言われています。また、発達しすぎた咬筋を小さくしてえらがまだたりなくなり、小顔にする効果もあります。

2.噛むための筋肉のマッサージ

緊張している筋肉のコリをほぐし、口の周りの筋肉をリラックスさせます。筋肉の張りを取る事によって小顔効果にもなります。

3.マウスピースによる治療方法

マウスピースによって歯や詰め物を守る方法があります。マウスピースは人工の物なので、削れてしまっても作り直す事が出来ますが、歯や詰め物、被せ物が壊れて、歯の神経を失ってしまうと元に戻す事は出来ないのです。

4.噛み合わせの治療方法

噛み合わせが悪い事が歯ぎしりの原因の全てではありませんが、正しい噛み合わせにする事はバランスをとってストレスを軽減する事に重要です。

抜いた歯や治療途中の歯、痛い歯などをきちんと正しい噛み合わせで治す事で、原因の一つを取り除く事が出来ます。

きちんとした噛み合わせの為に矯正治療を選択するのもよいでしょう。

5.歯ぎしり用マウスピース

歯ぎしり用マウスピースは歯科医院で簡単に作る事が出来ます。歯ぎしり用マウスピースは主に寝ている間に歯ぎしりによる歯へのダメージを減らすために使われます。しかし、歯ぎしりから歯を守るだけでなく、知覚過敏、歯根膜炎、顎関節症、咬耗、セラミックの破折防止、歯牙破折、歯周病にも有効的です。

気になる症状がありましたら、お気軽にスタッフにお声掛け下さい。

大和 歯科 裕デンタルクリニック

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