認知症と口腔ケアの効果

こんにちは、歯科衛生士の小川です。

認知症と言うワードは皆さんよく耳にするかと思います。

超高齢社会を迎え、認知症になる人は急激に増加しており、大和市においても近い将来、その数は1万人を超えるものとされているそうです。そこで、今回は口腔ケアの効果と認知症の関係などについてお話していきたいと思います。

健康を左右する口腔ケア

要介護状態になり、自分自身で歯磨きをすることが難しくなってしまうと、おざなりにされがちになってしまう「口腔ケア」は高齢者の生活の質の向上のためにとても大切です。高齢になり、介護が必要になったときにムシ歯や歯周病、口腔内の乾燥により口の中の機能が低下してしまうと、食欲が低下し、低栄養状態になり、免疫力が低下してしまいます。たかが歯、たかが口の中と思っていると、全身に大きな影響を及ぼしてしまいますので、しっかり口腔ケアを行うことが必要です。

また、口の中に食べかすや細菌が残ったままにしていると、増えた細菌が肺に入り、「誤嚥性肺炎」になることもあり、口の中が原因で全身にリスクを負ってしまうこともあります。

65歳以上高齢者の死因の第1位に悪性新生物、2位心疾患、3位に肺炎がランクインしていることからも分かる通り、要介護高齢者は誤嚥性肺炎を引き起こしやすく、口腔ケアを行なっていないと、誤嚥による発熱を繰り返すことになり、全身状態の改善に結び付きにくくなります。

*「噛む」ことで脳を活性化して認知症予防!

口腔ケアの効果として注目されているのが認知症予防です。

神奈川歯科大学が発表した研究報告によると、歯がなく入れ歯も使ってない人は歯が20本以上ある人に比べて、認知症を発生するリスクが1.9倍も高くなっているそうです。

さらに、「何でも噛める」高齢者は「あまり噛めない」高齢者と比べて認知症の発症リスクに1.5倍の違いがあることも明らかになっています。「噛む」という行為が脳を活性化させ、脳の認知機能の低下を予防する効果があるので、健康な歯を維持していくことが大切です。

この他にも、近年の研究では歯周病により歯茎に炎症があると糖尿病の引き金になってしまったり、糖尿病の症状を悪化させてしまったりすることも分かってきました。

このように、お口の中の健康を維持し、きちんと噛んで食事が出来ると、肺炎予防や認知症予防、糖尿病予防にも繋がります。

さらに、その他にも噛むことで得られる効果はたくさんあります。

  • 全身の運動に大きく関わっており、立ち上がるときや、重い荷物を持ち上げるとき、歯をぐっと噛み締めることで力を出せる。また、入れ歯をつけているときは歩くリズムが安定するが、入れ歯を外すと踏ん張りが利かず、つまずきやすくなり、転倒の防止にも繋がる。
  • 口の周りの筋肉が発達し、言葉の発音がはっきりする。
  • 胃腸の働きを促進する よく噛むことで、唾液中の消化酵素の分泌が活発になり、細かく噛み砕けば胃腸への負担を和らげることができる。
  • むし歯、歯周病、口臭を予防する。しっかり噛むことで、唾液の分泌が増え、唾液の抗菌作用によって口腔内の清掃効果が高まる。

このように、口腔ケアは毎日の食事の楽しみや、健康でいるためにもとても大切なことなのです。

大和市 歯科 裕デンタルクリニック