オーラルフレイル

こんにちは。院長の田中です。

みなさんは「フレイル」や「オーラルフレイル」という言葉を聞いたことありますか?

フレイルとは高齢になって筋力や心身の活力が衰えた状態のことです。健康と要介護の中間の状態で、健康な人と比べ要介護となる危険性が高まるだけでなく転倒や入院のリスクも高く健康で長生きできる割合が低くなると言われています。特に身体の問題にとどまらず人とのつながりが少なくなったり食事を独りで摂るなど社会性の低下が負の連鎖となりフレイルから要介護へドミノ倒しになる流れを「フレイルドミノ」といいます。

また、歯とお口の機能低下をオーラルフレイルといいフレイルや要介護が進む原因の一つと言われています。お口の健康への関心が低いと気づかないうちに歯周病やむし歯になり治療をしないまま歯を失うことでお口の機能(呼吸する、話す、食べる、飲み込むなど)が低下します。その結果食欲低下やバランスのよい食事を摂ることができず食べる量が減少し低栄養となりフレイルや要介護が進む恐れがあります。オーラルフレイルはフレイルの前段階にささいな歯とお口の機能低下(滑舌の低下、食べこぼし、わずかなむせ、噛めないものの増加など)から始まるためこれらの変化を見逃さないことが大切です。

「全身の衰弱は口の中から始まる」ということです。

オーラルフレイルを疑う症状としては……

味噌汁を飲むときむせるようになった。

口が渇いて飲み物を飲むことが多くなった。

食べこぼしがふえた。

話していることを聞き返されることが多くなった。

固いものを食べるのが苦手になった。

口の中の調子のせいで人とのかかわりを控えることがある。

口の中の調子のせいで人目を気にすることがある。

などがあげられます。

人は誰でも年齢を重ねるごとにいろいろな身体機能が低下していきます。しかしフレイルが始まったことに早い段階で自覚し機能を維持するための取り組みを行うことにより下り坂をゆるやかにし健康寿命をできるかぎり延伸することが可能です。

オーラルフレイルを改善するためのプログラムには以下の5つが提唱されています。

①滑舌の改善プログラム 早口言葉

滑舌の低下は舌やその周りの筋肉の衰えにより起こります。会話の機会の減少だけでなく嚥下機能にも影響します。早口言葉は舌や頬や唇などの筋肉を鍛え口の動きをよくします。口を大きく開けはっきりと大きな声で3回繰り返します。

②舌圧の改善プログラム 舌トレーニング

舌圧の低い人は食べ物の喉への送り込みが難しくうまく摂取できないため低栄養になる危険性があります。

③嚥下機能の改善プログラム 開口訓練

嚥下機能の低下は食べものが喉に残ってしまい誤嚥の原因になります。誤嚥を繰り返すと誤嚥性肺炎や窒息を引き起こす危険性があります。開口訓練は飲み込むための筋肉を強化して食べものが食道に入りやすくします。1日10秒間×5回×2セット(朝、夕)

④咀嚼機能の改善プログラム 咀嚼訓練

咀嚼機能の低下により柔らかい食事を好むようになり偏食が起こり栄養バランスの偏りがちになります。ガムを噛むことにより咀嚼に必要な筋肉を鍛えることができます。唇を閉じてしっかり噛みます。ガムは一カ所で噛まず左右両側を均等に噛みます。姿勢を正しくします。

⑤お口の健口体操

フレイル予防に取り組み健康寿命を延伸することは我々個人の人生が幸せになるだけでなく年々膨れ上がる医療費の軽減に繋がるため国全体にとっても非常に有益なことと言えます。

大和 歯科 裕デンタルクリニック